山百合の花
飯間から朝比奈の殿に行く山道に、山百合が咲いていた。野の花は咲き始めが何時もひっそりとしている。おおかさもちだって何時の間にか盛りになってい、群落も見える。
先週、金曜日の夜の雨で1メートルの水嵩が、今では20cmに引いている。水色は少し青みがかった柳色になり、底石こそ見えないけれど日一日と色も取れ、週末には鮎釣りの人たちが藁科の川に遊べる。ポチは大雨の翌日、栃木の黒羽にいて、まだ夜も明けきらない川面を覗いていたものだ。
「山も庭もうごき入るや夏座敷」 那珂川も濁流に翻弄されていた。とは言え、寒井地区はすでに澄んでい、鮎釣り人がいたものだ。奥の細道10日目に「芭蕉」はこの地に赴いた。先の句は、黒羽城代家老、「桃雪」宅を訪れた際の挨拶吟だそうな。
「山も野もうごき入るや夏の川」などと、ポチはにたりと詠んだものだった。
それにしても、翌日には黒羽の那珂川は青々と澄んでいた。藁科に思いを馳せ、水引きの良い川なれば、と考えるポチ。
朝比奈からの帰り道、紫陽花の花がたっぷりと色を着けていた。